「窓、開けるなよ。」
運転席の青年が助手席の少年に声を掛ける。
「だって、風入れた方が気持ちいいじゃん。」
全開にした窓から顔を出して少年は叫ぶ。
「ばっか、高速で危ないだろ。」
助手席から入ってくる風に顔をしかめ、青年は呟く。
「ねぇ、あとどのくらいで着くの?」
素直に窓を閉め、青年に問いかける少年。
「ん〜?まだまだかなぁ ・・・。」
風に乱された前髪を掻き揚げ、青年は一瞬考えるように目を上げた。
「ふぅ〜ん。」
夏の陽射しがきつくなってきた車内、無言の時がひときり流れる。
2人は青年の懐かしい場所へ向かっている。

←来訪記念にポチッと頂けると励まされます。
theme : 自作小説
genre : 小説・文学